携帯版 トレーダーズショップへようこそ。 国内送料無料 info@tradersshop.com
題名で    お買い物かごを見る   ご注文状況    ご利用方法  FAQ
このページの携帯版

新着 3月29日更新

■投資戦術

短期売買 デイトレード
スイングトレード
スキャルピング
システム売買
テクニカル
一目均衡表
酒田五法
フィボナッチ
エリオット波動
トレンドフォロー
逆張り
アノマリー 裁量
ファンダメンタル
成長株 決算書 FAI
サヤ取り 資金管理
心理 行動心理学
危機 占星術 格言

■対象市場・商品

オプション 225先物
FX (為替) CFD
商品先物 ゴールド
中国株 海外投資
不動産投資
ポーカー

■人物

相場師朗 アンディ
小次郎講師
林知之 増田丞美
W・バフェット
W・D・ギャン
B・グレアム
ジェシー・リバモア
R・A・メリマン
W・J・オニール
ジム・ロジャーズ
ラリー・ウィリアムズ

■製品・サービス

セミナー DVD CD
メタトレーダー (MT4)
ソフトウェア レポート
雑誌 定期購読
小説・読み物
漫画 ゲーム 場帳
オーディオブック
 聞くには
アウトレット 9割引

■その他

新着 初心者向き
信用取引
金融工学
他店で入手困難
ブルベアグッズ

トップページ
電子メール
事務所のご案内
法定表示等
a@panrolling.com

<< トップ / 《読者のご意見》一覧 /

投資苑(とうしえん)

アレキサンダー・エルダー(著) 福井強(訳) パンローリング

一冊の書物との出会いは、人生における出会いとなんら変わるところはない。「投資苑」を読んでこの言葉をあらためて思い起こした。

「投資苑」の存在を初めて知ったのはずいぶん前だったように記憶する。手にとって奥付を見ると、日本での初版は2000年8月となっている。すでに発行から6年も経っており、しかも第6刷まで版を重ねている。投資関連書籍の中では評判のよい本であることは疑いない。これまでにも何度か読もうとしてみたことはあったのだが、実際には読んでこなかったということは、単に本のタイトルがどこかで引っかかっていただけなのかもしれない。

「投資苑」という名前が、岩波書店の「広辞苑」、あるいは相原コージ氏の4コマ漫画「コージ苑」を連想させるものでなかったら、ひょっとしたらもっと早い段階で、評者はこの本の持つ独特のワールドにのめり込んでいたのではないかと思う。タイトルとして「広辞苑」は重過ぎる。「コージ苑」では軽過ぎる。原題が“Trading for a Living”とあっては、それにふさわしい日本語訳を見つけるのもむずかしかったのだろうと拝察する。

「投資苑」は、精神分析医であり、同時にプロのトレーダーでもあるアレキサンダー・エルダー博士が著したトレーディングの解説書である。1993年にアメリカで出版されてたちまちベストセラーになり、アメリカ以外では日本が世界で8番目に翻訳本が出たという、正真正銘、ワールドクラスのロングセラーである。

読んでみてその秘密がすぐにわかった。相場に関するたとえ話が実に絶妙で、投資本とは思えないくらいにどんどんと先に読み進んでしまう。エルダー博士は精神分析とトレーディングのプロであると同時に、ストーリーテラーとしても卓越しているのだ。

人はなぜトレーディングで損ばかりしてしまうのか。エルダー博士の論によれば、それは本来、トレーディングが非常にむずかしいゲームであるのに、しばしばトレーダーは衝動的にトレードしてしまうためである。この悪癖は多くのトレーダーに共通しており、それは博士が長年職業として携わってきた、アルコール依存症患者の治療法と同じ方法で矯正してゆかなくてはならない、と述べる。

ここで、後世に名を残した偉大なる相場師の物語を読んでいて、いつも思うことなのだが、彼らの多くが、相場に手を染めたばかりのころに、壊滅的な大損しているという事実がある。人生をやり直せないほどの大損を経験して、その傷跡から立ち直っていった人が、その後の相場で大きな成功を勝ち取ることができる。このような事実はなぜ起こるのか、いつも気になっていた。それがエルダー博士の「投資苑」では実にはっきりと解説されている。

アルコール依存症患者の治療では、何をおいてもまずは本人が、自分はアルコール依存症なのだ、という事実と受け入れなくてはならない。しかしこれは多くの場合、たいへんな困難をともなう。アルコールに依存する人間ほど、自分をアルコール依存症だとは認めたがらないものだ。

自らを依存症と認めるにはたいへんな苦痛が伴うが、ひとたびその事実を認めた者から立ち直りのきっかけをつかんでゆく。実はトレーディングもこれと同じで、自らを「敗者」と認めた者から次のステップへの第一歩を歩み始めることができる。人生において立ち直れないほどの大損を経験した者は、激しい苦痛を伴いながらも自らを「敗者」だと自覚する。「敗者」なのだと否応なく自覚させられる。そこから次のステップに進むことができる、相場と同じで「大底を入れる」とはそういうことだ、とエルダー博士は説いている。

日本の株式市場が、デリバティブ取引の黎明期を迎えた80年代末から90年代初頭。「トレーダーに数学を教えるよりも、数学者にトレーディングを教えた方がよっぽど早い」と言われたものだ。それはまったくその通りで、どんなに優秀なトレーダーでも(その多くは文科系出身)、数学の本質を理解するには10年くらいは平気でかかる。しかし優秀な数学者はトレーディングの本質を3カ月くらいで身につけてしまう。こうして金融工学を駆使するトレーダーたちは、「失われた90年代」に巨万の富を手にしていった。

最近、日本でもマーケットの分析手法として「行動ファイナンス理論」が盛んになっている。2002年のノーベル経済学賞を、「行動ファイナンス論」を展開したカーネマン博士が受賞したことからこの流れは加速した。行動ファイナンス理論とは、人間の深層心理を用いて金融市場の動向を分析しようという理論である。そしてここでも、数学者のたとえを借りるならば、「トレーダーに精神分析を教えるよりも、精神分析医にトレーディングを教えた方がよっぽど早い」ということになる。

文科系出身のトレーダーやエコノミストたちが、精神分析の手法を学んで行動ファイナンス論を展開するよりも、トップレベルの精神分析医がトレーディングの技術に精通した方が、よほどマーケットの機微を理解することができるはずだ。この点でもエルダー博士の展開する理論は傾聴に値する。しかも単なる精神論ではない。博士独特の比喩表現を使いながら、現実に即したトレーディング技術、マネーマネジメント理論が満載されている。「投資苑」とはそういう書物なのだ。

読み終えてひとつだけはっきりとわかったことがある。「広辞苑」だ、「コージ苑」だと、読む前からタイトルにこだわっていた私はアホだった、ということだ。書物との出会いは人生における出会いそのものである。私はこうしていつもチャンスを逃してきたのだろう。初版からすでに6年間が経過した。この間の遅れを取り戻そうと、今になって必死にエルダー博士の足跡を追いかけている次第である。

以上


【鈴木 一之 (すずき・かずゆき) 氏】
大和證券にて株式トレードに携わり、現在、ストックキャンパス・リサーチ部チーフアナリスト。 マジメにおかしく分かりやすく解説する投資分析は人気があり、主な訳書・講演セミナーに 『DVDブック 大化けする成長株を発掘する方法』、『オニールの空売り練習帖』、『DVD 会社四季報活用術セミナー』がある。


商品説明ページへ
お買い物かごに入れる


<< トップ / 《読者のご意見》一覧 / Page Top

Copyright(C) Traders Shop All Rights Reserved.

■投資ニュース

  • 2024/03/29 17:59:欧州為替:ドル・円は151円台前半で小動き
  • マイナス金利終了 「金利」ランキング (3/26更新)

    バックナンバー

    為替手帳プレミアム 2024

    1. 為替手帳プレミアム 2024
    2. 【オプション倶楽部】OP売坊戦略コース
    3. TradingView 入門
    4. 米国経済指標の見方・読み方
    5. バフェット流株式投資入門


    ■特集

    総合ランキング
    DVDランキング
    オススメの一冊
    無料メールマガジン
    読者の御意見
    用語解説
    投資のススメ
    著者の投資コラム 携帯待受画面
    シカゴ絵日記

    カタログ: PDF (26MB)
    紙のカタログ請求

    提携プログラム
     ウェブサイト、ブログを
      お持ちの方、紹介料率
      最大20%!


    オーディオブック無料視聴

    Podcast RSS配信

    ポッドキャスティングの受信ソフトにこのバナーのアドレスを登録すると、新しいオーディオブックが更新された時に自動でダウンロードされ、より便利にお楽しみいただけます。このアイコンをiTunesにドラッグ&ドロップすると自動的に登録されます。